jcoexhb3

1999年9月30日、茨城県の東海村JCOで2人の職員が大量の放射線を被曝した国内初の臨界事故。

そのうちの一人大内久さんにとって、その日はいつもと変わらない平凡な1日になるはずでした。

この日、大内は午前一〇時に事業所内の転換試験棟という建物で作業を始めた。核燃料サイクル開発機構の高速実験炉「常陽」で使うウラン燃料の加工作業だった。

大内は最初、上司の指示に従い、ステンレス製のバケツの中で溶かしたウラン溶液をヌッチェとよばれる濾過器で濾過していた。

バケツで七杯目。最後のウラン溶液を同僚が流し込み始めたとき、大内はバシュという音とともに青い光を見た。臨海に達したときに放たれる「チェレンコフの光」だった。その瞬間、放射線のなかでももっともエネルギーの大きい中性子線が大内たちの体を突き抜けた。
被曝したのだった。

NHK「東海村臨界事故」取材班『朽ちていった命:被曝治療83日間の記録』 


入院した当初、大内さんは看護婦相手に冗談を言ったりするほどきわめて元気な状態でした。

横たわった大内が声を発した。
 

ところが、事故から6日後、医療チームの一人、平井久丸医師は、届けられた大内さんの骨髄細胞の顕微鏡写真を見て我が目を疑います。
 
写真には顕微鏡で拡大した骨髄細胞の染色体が写っているはずだった。しかし、写っていたのは、ばらばらに散らばった黒い物質だった。

通常は23組の染色体がある。1番から22番と女性のX、男性のYとそれぞれ番号が決まっており、順番に並べることができる。しかし、大内の染色体は、どれが何番の染色体なのか、まったくわからず、並べることもできなかった

染色体がばらばらに破壊されたということは、今後新しい細胞が作られないということを意味していた。被曝した瞬間、大内の体は設計図を失ってしまったのだった。
NHK「東海村臨界事故」取材班『朽ちていった命:被曝治療83日間の記録

04

その後、放射線障害が大内さんの身体を蝕み始めます。

NHK「東海村臨界事故」取材班
朽ちていった命:被曝治療83日間の記録
に詳細に記されているの様子は凄惨を極めます。

以下、その詳細を時系列に辿っていくことにしましょう。


被曝3日目

横たわった大内が声を発した。
「よろしくお願いします」
 
細川は、「あれ?」と思った。ふつうに会話できる状態だとは思っていなかった。被曝という言葉から、外見的にもかなりダメージを受けているだろうし、意識レベルも低いのではないかと想像していたのだ。しかし外見だけでは、一体どこが悪いのだろうかとしか思えない。致死量といわれているほど高い線量の放射線を浴びたと聞いたのが、とても信じられなかった。
 
NHK「東海村臨界事故」取材班『朽ちていった命:被曝治療83日間の記録』 

しかし、その見かけとは裏腹に、放射線を大量に浴びたことで、大内さんの体では、体の免疫をつかさどる白血球(リンパ球)に異常をきたし始めていました。

大内の体からは、転院初日にはこのリンパ球がまったくなくなった。さらに白血球全体も急激に減少していた。大内は体の抵抗力(免疫力)がほとんどなくなっていたのだ。

NHK「東海村臨界事故」取材班『朽ちていった命:被曝治療83日間の記録

そして、この影響は目に見える形で徐々に現れてきます。


被曝11日目

大内の病状は目に見える部分でも悪化し始めていた。まず症状が出たのは皮膚だった。
胸に貼った医療用のテープをはがすと、テープを貼った部分の皮膚が、そのままくっついて、取れてしまうようになった。テープをはがした跡は、消えなかった。

右手には火傷の跡のように水ぶくれができていた。また、タオルで足を洗ったり、ふいたりしたとき、こすれたところの皮膚がめくれるようになった。
 
NHK「東海村臨界事故」取材班『朽ちていった命:被曝治療83日間の記録』 


被曝27日目

被曝から二七日目の一〇月二六日、突然、大量の下痢が始まった。ただし、これまでの被曝事故のケースで報告されているような血の混じった便ではなく、緑色の水のような便が出ていた。

右手から右上腕、右胸から右脇腹の部分、そして太股へかけて、皮膚が水ぶくれになっては、はがれ落ちていった。障害は浴びた放射線の量が多いところから徐々に広がっていった。皮膚がはがれたところは点状に出血があり、体液が浸み出していた。

このころの大内は目ぶたが閉じない状態になっていた。ときどき、目から出血した。
爪もはがれ落ちた。
 
NHK「東海村臨界事故」取材班『朽ちていった命:被曝治療83日間の記録


ここで一つの疑問が湧いてきます。
凄惨を極めた東海村JCO臨海事故と同等である、これだけ大量の放射線を浴びた血液を輸血して、
輸血された人体は、癌などの副作用がでないのでしょうか?

実は、それに対しても、既に答えは出ています。

ここで、再び、『血液の闇』に戻ることにしましょう。

そこには、驚愕の事実が記されているのです。


関連記事

大丈夫!放射能は怖くないと私が言い切れる3つの理由 


人気記事

有名人の癌が増えていることが、データベースから証明された