映画『ボヘミアン・ラプソディ』興収50億円超えへ、クイーンが音楽チャートも席巻

PHILE WEB
2018年11月26日

サントラも売れており、CDと配信、あわせて15万枚を販売。実際に記事執筆時点(11月26日午後13:30)で調べてみると、AmazonのCDアルバムチャート、moraのアルバムチャートの1位に本作のサントラが入っている。

またe-onkyoでは、従来からあるベスト盤「GREATEST HITS」がトップとなっており、文字通りクイーンの楽曲が各音楽チャートを席巻している。 


クイーン、『ボヘミアン・ラプソディ』の大ヒットでCDレンタル数が激増

Rolling Stone
2018/12/28 20:00

TSUTAYAが集計したレンタル数ランキング(集計期間:2018年11月1日~11月30日)では、「We Are The Champions」、「Don’t Stop Me Now」など劇中でも登場する名曲を数多く収めたベストアルバム『ジュエルズ』が1位に輝いたほか、『グレイテスト・ヒッツ』(2位)、『ABSOLUTE GREATEST』(3位)などクイーンの名曲・代表曲を収めたベスト盤が軒並み上位にランクイン

映画を見てクイーンを聴きはじめたファンの入門編としてはもちろん、映画をきっかけに今一度聴き返したいというファンからも高い支持を集めている。 


映画『ボヘミアン・ラプソディ』の大ヒットとともに注目を浴びているクイーンの作品。

本日は、その中でも1981年に発売された彼らにとって初のベスト・アルバム『グレイテスト・ヒッツ』を取り上げることにします。

  • クイーンの全盛期のシングル・コレクション『グレイテスト・ヒッツ』
『グレイテスト・ヒッツ』は、彼らのデビュー・アルバム『戦慄の王女』から、当時の最新アルバム『フラッシュ・ゴードン』までの期間、まさにクイーンの全盛期にリリースされた全18曲のシングルを収録したベスト・アルバムです。

『グレイテスト・ヒッツ』は、オフィシャル・チャート・カンパニー(全英オフィシャルチャート)の集計で、英国で最も売れたアルバムに認定されているだけでなく、全世界で約2,500万枚を売り上げるなど、セールス的にも、まさに彼らの代表作と言えます。

しかし、私が今回この『グレイテスト・ヒッツ』を紹介するのは、彼らのヒット曲が多数収録されているからでも、驚異的なセールスを上げているからでもありません。 

その最大の理由は、このアルバムの音質が飛び抜けて素晴らしいからであり、その高音質の秘密は、アルバムのリマスタリングを行ったマスタリング・エンジニアにあります。 

  • クイーンのアルバムは、すべてボブ・ラドウィッグによる2011年リマスター音源 
クイーンの作品は、バンド結成40周年である2011年にエンジニア、ボブ・ラドウィッグにより行われたリマスターが最新のものとなります。

そして、オリジナル・アルバム同様、『グレイテスト・ヒッツ』のリマスターも、前述のボブ・ラドウィッグが手がけており、その音質は、アナログ・レコードの質感を限りなく再現した、迫力と音の豊潤さを兼ね備えた素晴らしいものです。

それでは、最高の音質で再現される、クイーンの全盛期のヒット曲の数々をご紹介することにしましょう。

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  • 最高の音質で聴く、クイーンの全盛期のヒット・シングル

1.Bohemian Rhapsody

映画『ボヘミアン・ラプソディ』のタイトルにもなった彼らにとって最大のヒット曲。1975年10月に発売され、全英チャートにて9週連続1位を記録しています。

冒頭のアカペラ部分のコーラスのエコー感だけでなく、それに続くバラード部分での、フレディ・マーキュリーの演奏するピアノのアタック音の響きと、ジョン・ディーコンのベースの低音部分の迫力に圧倒されます。

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2.Another One Bites the Dust

1980年発売のアルバム『ザ・ゲーム』からシングル・カットされ、彼らにとって2枚目の全米No.1ヒットとなったディスコ・チューン。

この曲の最大の聴きどころである、楽曲の骨格ともなっているジョン・ディーコンの粘り気のあるベース・ラインが持つグルーヴ感溢れる低音の魅力を最大限に引き出したボブ・ラドウィッグのマスタリングの素晴らしさを十分に堪能できます。

ボブ・ラドウィッグ自身もこの曲のマスタリングの出来栄えには自信を持っており、後のインタビューでもそのことについて語っています。

リマスターを担当したボブ・ラドウィック氏曰く、「Another One Bites The Dust(地獄へ道づれ)」は特に抜群の出来映えであるので、是非リスナーにも注目して聞いて欲しいとのことである。

クイーン「Greatest Hits I/II」の新旧CDと96/24音源を岩井喬が比較試聴! - PHILE WEB 


3.Killer Queen

クイーンの楽曲の魅力の一つとして、そのコーラス・ワークがあることを否定する方はおそらくいないでしょう。

英米の両国で初のスマッシュ・ヒットとなったこの楽曲においても存分に使われているエフェクトのかかったコーラスの残響音が、バンド・アンサンブルと相まってこの曲を一層魅力的なものにしています。 

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4.Fat Bottomed Girls

「Bicycle Race」との両A面シングルとして発売され、スマッシュ・ヒットを記録したライヴの定番曲。

ブライアン・メイのディストーションを効かせたブギー調のギター・リフとロジャー・テイラーが叩くバスドラのアタック音が繰り出すアンサンブルが見事です。


5.Bicycle Race

メロウで重厚感溢れるベース・ラインを中心としたバンド・アンサンブルが 魅力的な一曲。

ボブ・ラドウィッグのマスタリングの特徴である、アナログ・レコードの音像を限りなく再現した音色ならではの迫力が楽しめます。

前述の「Fat Bottomed Girls」とともに1978年発売のアルバム『ジャズ』に収録。

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6.You're My Best Friend

アルバム『オペラ座の夜』から、「Bohemian Rhapsody」に続くセカンド・シングルとして発売され、全英7位を記録したヒット・ナンバー。

ベース・プレイヤーであるジョン・ディーコンが演奏するエレクトリック・ピアノが印象的なロック・チューンで、他の楽曲と比較した場合に、音量バランス的にも大きめなドラムスをはじめとした、彼らの楽曲の中でも最もバンド・アンサンブルの妙を感じられる一曲です。

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7.Don't Stop Me Now

ロック・ナンバーでありながら、楽曲の中心に位置するのはあくまでフレディの弾くピアノ。

そのピアノの残響音が心地よいのは、ボブ・ラドウィッグが意識しているアナログ・サウンドの賜物です。 

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8.Save Me 

80年のアルバム『ザ・ゲーム』に収録されたシングル。(全英11位)

作曲者であるブライアン・メイが演奏するエレクトリック・ギターとシンセザイザーの音色を重ねていくアレンジにより楽曲に重厚感を持たせることに成功しています。

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9.Crazy Little Thing Called Love

80年発売のアルバム『ザ・ゲーム』からファースト・シングルとして発売され、彼らにとって初の全米No.1に輝いたヒット・ナンバー。
  
ブライアン・メイのギターの特徴として挙げられるのが、残響音の少ない、引っ掻いたような乾いた独特の音色にありますが、彼らの膨大な楽曲の中で、唯一の例外がこの「Crazy Little Thing Called Love」です。

ロカビリーを下敷きにした本曲のギターの音色は、意図的にメロウで残響音の強い物になっており、その残響音が心地よく響く音像空間こそが、ボブ・ラドウィッグが目指したアナログ・サウンドの最大の特徴なのです。

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10.Somebody To Love

『オペラ座の夜』との兄弟アルバムである『華麗なるレース』(76年)に収録されたシングルで、全英2位を記録したヒット曲。

オープニングのゴスペル調のコーラスに被さるジョン・ディーコンのふくよかなベース・ラインと、ロジャー・テイラーのドラムスのエネルギー溢れるアタック音が堪能できる素晴らしいマスタリングです。

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11.Now I'm Here

74年発売のサード・アルバム『シア・ハート・アタック』からのセカンド・シングル。(全英11位)

彼らのライヴの定番曲でもあり、映画『ボヘミアン・ラプソディ』のサウンドトラック盤に収録のライヴ・バージョンがグルーヴ感溢れる楽曲に仕上がっているのに対し、スタジオ・バージョンのこちらは、コンパクトにまとまってはいるものの、彼らの演奏能力の高さを証明する楽曲となっています。

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12.Good Old-Fashioned Lover Boy

英国のみで発売されたシングル。(アルバム『華麗なるレース』収録)

クイーンの楽曲の特徴として挙げられるのが、ブルースの要素が皆無であることです。
ロックでありながらどこか洗練されたテイストが溢れたこの曲も、どこか英国の香りが感じられる良質なポップ・チューンに仕上がっています。

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13.Play the Game

アルバム『ザ・ゲーム』からのサード・シングル。

「Save Me」と同様に、音を重ねていくアレンジが特徴的なナンバーで、ブライアン・メイのギターとフレディ・マーキュリーのシンセサイザーのアンサンブルが楽曲に独特の重厚感をもたらしています。


14.Flash

当時の最新シングルで、映画『フラッシュ・ゴードン』のテーマ曲。

この時期の彼らの楽曲に多様されるようになったシンセサイザーが効果的に使われています。


15.Seven Seas of Rhye

1974年発売のセカンド・アルバム『クイーンⅡ』収録のシングル。(全英10位)

映画『ボヘミアン・ラプソディ』でも描かれていたとおり、彼らの音へのこだわりは半端なく、この「Seven Seas of Rhye」でもコーラスやギターにかけられた独特のエコーの残響音を確認することができます。

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16.We Will Rock You

1977年発売のアルバム『世界に捧ぐ』に収録されたナンバーで、「We Are the Champions」との両A面としてシングル発売され、英国2位、米国4位を記録した彼らの代表曲の一つ。

あまりにも有名な「ドンドンパ、ドンドンパ…!」のリズムは、それが響き渡るための音像空間とリズム自体のエコー感が揃ってこそ生きてくるもの。
まさにクイーンが活躍した1970〜80年代前半のレコーディング環境(当時は現代と違い、アナログのオープン・リールによる録音が主でした。)に依るところが大きいと言えます。

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17.We Are the Champions

そのキャラクターこそ地味な存在ですが、ベースのジョン・ディーコンのクイーン・サウンドへの貢献は決して小さなものではなく、前述の「Another One Bites the Dust」を始めとする数々の曲にて、そのメロウで跳ねるようなベース・フレーズにより、楽曲の骨格を築き上げる役割を担っています。

この「We Are the Champions」においても、前半のバラード調の部分での野太いベース音が曲の中心を成しており、後半のロック調の部分との対比においてもこの曲を一層魅力的なものとすることに成功しています。

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18.Teo Toriatte(Let Us Cling Together)

親日家の彼らが、日本のファンのために歌詞の一部に日本語を挿入して制作した楽曲。
アルバム『華麗なるレース』(1976年発売)のエンディング・トラックとして収録され、翌77年には日本限定でシングル発売されています。

ブライアン・メイが弾くオープニングのピアノとフレディ・マーキュリーのボーカルのエコー感、ジョン・ディーコンのベースのメロウで豊潤な低音、ロジャー・テイラーのドラムスのスネアのアタック音、重厚に重ねられたコーラス・ワーク。

これがすべてが渾然一体となって織り成す重厚感こそ、クイーン・サウンドの真髄と呼ぶにふさわしいものです。

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映画『ボヘミアン・ラプソディ』のヒットをきっかけにして、クイーンの楽曲は、従来からのファンだけでなく、フレディ在籍時のクイーンをリアルタイムで知らない世代の人々の心さえも捉え続けています。

その理由は幾つかあるのでしょうが、それは、決して彼らのソング・ライティング能力や演奏能力の高さだけに依るものだけではなく、彼らがレコーディングしてきた当時の環境(=アナログ・レコーディング)にもあると私は考えています。

現代のデジタル・レコーディングと違い、オープンリールのテープにオーバーダビングしていくアナログ・レコーディングの手法で制作された楽曲の特徴は、隙間のある音像空間と、そこに響き渡る楽器やコーラスのエコー感にあります。

今回、改めてこのベスト・アルバム『グレイテスト・ヒッツ』を聴いてみて感じたのが、クイーンの音造りは、前述したアナログ・レコーディングの特性を最大限に生かしたものだということです。

ジョン・ディーコンの飛び跳ねるような野太い音色のベース、フレディ・マーキュリーの弾くピアノのアタック音(=残響音)、ロジャー・テイラーのドラムスのスネアとバスドラの響き、これらがアナログ・レコーディングの特性とも言えるエコー感を伴った隙間のある音像空間でひしめき合う過程で、あの独特のクイーン・サウンドと呼べる作品群が作られていったのです。

その中で唯一、現代のデジタル・レコーディングの音像と親和性の強い、ブライアン・メイの弾く、あの独特なレッド・スペシャルの乾いたギターの音像との対比により、彼らの作品が、より一層魅力的なものにすることに成功したのです。

極言すると、クイーンの作品は、アナログ・レコーディングという、当時のテクノロジーに裏付けされた、レコーディング環境なしには、決して生まれなかった産物だと言っても過言ではないでしょう。

そして、これらの作品を当時のアナログ録音のエネルギーを喪失させることなく現代に甦らせた、エンジニアであるボブ・ラドウィッグのマスタリングにかける情熱こそ、我々は改めて着目し、讃えるべきなのではないでしょうか。

最後に、この『グレイテスト・ヒッツ』をマスタリングしたエンジニア、ボブ・ラドウィッグのインタビューを紹介しながら、この記事を締めくくりたいと思います。

アナログ・レコーディングの再現に情熱をかける、彼のエンジニア魂を感じる、素晴らしいインタビューとなっています。

「今回のリマスターにおいては既に発表されたアナログレコードと二世代前までのCDとを比較してから作業に入っています。

特に入念に確認しているのはCDやダウンロードファイルの場合、変換の過程でスピードの変更がないかどうか、又、オリジナルのアナログレコード製作時のスピリットが失われていないか注意深く確認します

私はすべての楽曲を気に入っていますし、素晴らしい仕上がりだと思います。そして出来る限り完全なものにするためにいかなる出費も惜しみませんでした。 あたかもこれが処理が施されるべき最後のマスタリングであるかのように…」 


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